MEDICAL変形性膝関節症に対する
再生医療~手術せずに痛みをとる~
INTRODUCTION
再生医療は厚生労働省が定める再生医療等安全性確保法(再生医療等の安全性の確保等に関する法律)のもと、2014年から脂肪幹細胞(ASC)療法および多血小板血漿(PRP)療法などを中心に実施されています。いずれも厚生労働省に届出が必要で、それを実施する施設には厳しい安全基準が設けられており、施術の手順も細かく決められています。
ほしやま整形外科医院も厚生労働省から認可を受け、切らずに痛みをとることを目標に脂肪幹細胞(ASC)療法および多血小板血漿(PRP)療法の両方を実施しています。
ASC療法とは
ASCとは脂肪組織由来幹細胞のことで、脂肪組織の中に多く存在する幹細胞のことです。山中伸弥教授のノーベル賞受賞で一躍有名になったiPS細胞もこの幹細胞の中の一つです。幹細胞には自分と同じ細胞をつくる自己複製能という力と体の様々な組織(軟骨、神経、筋肉など)の細胞へかわる多分化能という普通の細胞にはない能力があります。
ASC療法はこの脂肪組織由来幹細胞の組織の炎症を抑える力と、自己複製を繰り返しながら痛んだ組織を修復することが期待される治療です。
ASC療法のメリットとデメリット
- メリット
- 自分の脂肪組織を使用し作成するので、感染症やアレルギー反応がおきない
- 局所麻酔で小切開(1cm程度)の脂肪採取し、膝関節注射するだけなので手術などとちがい、体の負担が少ない
- 何度でも治療することができる
- 効果が出た場合、長期に痛みがなくなり、機能回復が期待できる
- デメリット
- 保険が効かないため、治療が高価である
- 患者様により効果にばらつきがある
- 注射針で刺すため、痛みを伴うことがある
ASC療法の費用
片膝 1,100,000円(税込)
両膝 1,540,000円(税込)
ASC療法の診察の流れ
関節内注入
PRP療法とは
血液の中には白血球、赤血球などと一緒に血小板というものがありますが、この血小板の力を利用し、組織の炎症を抑えたり修復を促す治療です。
血小板は体のどこかで血が出ている時にその場所に集まり血を止める作用があります。転倒して体に傷が着いた時に血がでます。この時に傷からの血を止め、傷を治す物質が血液の中からでてきます。これがPRPです。PRPには以下のメッセージ物質が大量に含まれており、傷んだ組織の修復に役立っています。
・PDGF-a/b:血管新生や細胞増殖を促進する
・TGF-β:線維芽細胞やコラーゲン合成を促進する
・bFGF::線維芽細胞の増殖と血管新生を促進する
・VEGF:血管内皮細胞の増殖や血管新生を促進する
・EGF:他成長因子の効果を増強させる
これらのメッセージ物質による体の自己再生能力を生かして治療するのがPRP療法です。
多くのプロスポーツ選手も利用され、海外では多くの方が治療に活用されています。
PRP療法のメリットとデメリット
- メリット
- 自分の血液を使用し作成するので、感染症やアレルギー反応がおきない
- 採血と注射をするだけなので手術などとちがい、体の負担が少ない
- 何度でも治療することができる
- 効果が出た場合、長期に痛みがなくなり、機能回復が期待できる
- デメリット
- 保険が効かないため、治療が高価である
- 患者様の年齢や血液の状態により効果にばらつきがある
- 注射針で刺すため、痛みを伴うことがある
PRP療法の費用
当院では、「PFC-FD」と「PEAK30mlキット」の2つのPRP療法を採用しています。
(1部位)
(1部位)
約3週間後
※両膝関節ご希望の場合、PEAK60mlキットを使用し、44万円(税込)となります。
変形性膝関節症以外に PRP治療の効果が期待できる病気とケガ
- 腱板損傷
- 上腕骨外側上顆炎(テニス肘)
- 内側側副靭帯損傷
- 股関節唇損傷
- ハムストリングス肉離れ
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 膝蓋下脂肪体炎
- 膝蓋靭帯炎
- 内側側副靭帯損傷
- 腓腹筋肉離れ
- アキレス腱断裂
- アキレス腱周囲炎
- 足関節靭帯損傷
- 足底腱膜炎
(初診の場合 30分前)となります。
リハビリテーションは保険診療